初登板で好投も…ヤンキースに募る田中将「肘痛再発」不安
■PRP療法から再発、長期離脱のケースも
田中は昨年、トミー・ジョン手術ではなく、再生治療であるPRP療法を選択した。これは組織の治癒力を促すもので、断裂した靱帯を完全に修復するものではない。実戦に復帰して故障前と同様に投げられるようになったからといって、患部が完治したわけではないのだ。
実際に、田中と同じPRP療法を受けた投手で再発したケースは少なくない。フィリーズのサイ・ヤング賞左腕クリフ・リー(36)は昨年8月に左肘靱帯部分断裂で再生治療を受けたが、今春のキャンプで再発し、開幕絶望。今季、フィリーズのローテーションを担う右腕のチャド・ビリングズリー(30)はドジャース時代の12年9月にPRP療法を受けたものの、翌13年の開幕直後に再び、痛めた。結局、メスを入れ、13、14年は全休を強いられた。
田中の靱帯も今季1年を通じて万全の状態が続く保証はどこにもない。いつ再発しても不思議ではなく、ビリングズリーのように手術を強いられる可能性は否定できない。
キャッシュマンGMは「(患部に)問題があれば、その時に対応する」と話したが、「その時」はいつ来てもおかしくない。
▽田中の話「少ない球数で2回を抑えることができたので、言うことはない。(初登板は)もちろん緊張はした。今年も始まっていくな、という感じだった」