ダル離脱の余波懸念 「日本人投手の大型契約に大打撃」の声が
ダルビッシュ有(28=レンジャーズ)は、プロスポーツ界でも人一倍体を大切にする選手として知られる。
食べ物やトレーニングに異常なほどのこだわりを持ち、なおかつ故障にはナーバス。日本ハム時代はもちろん、学生時代から少しでも体に違和感を覚えれば無理をせず、必ずといっていいほど登板をキャンセルしてきた。深刻な故障とは最も縁遠いはずの選手をもってしても、メジャーの過酷な条件や環境には耐えられなかったということか。
レンジャーズが米7日、ダルの右肘内側側副靱帯の部分断裂と、トミー・ジョン手術と呼ばれる修復手術の可能性があることを発表した。ダルは10日にニューヨークで別の医師の診察を受け、治療方針の判断材料にする。手術なら今季登板は絶望的、手術を回避したとしても復帰まで4カ月ほどかかる見通しだ。「明らかに深刻な故障だ。マウンドに戻ってこられるよう、的確なケアをするつもり」とダニエルズGMが肩を落とせば、ダルは「今季プレーできなければ残念。最終決断の前にセカンドオピニオンを聞くなど、すべての可能性を探る」とコメントした。
靱帯の部分断裂といえば、昨年、田中将大(26=ヤンキース)がやったばかり。約2カ月半のリハビリで戦列に戻ったものの患部が完治したわけではないし、過去には松坂大輔(34=ソフトバンク)、藤川球児(34=レンジャーズ)、和田毅(34=カブス)、田沢純一(28=レッドソックス)、大塚晶文(43=中日コーチ)ら多くの日本人大リーガーがトミー・ジョン手術を受けている。メジャーで投げた日本人投手で、メスを入れていない選手を探す方が難しいくらいなのだ。