世陸マラソン代表今井正人が語る「箱根駅伝」と「長期低迷」
――長くても20キロ程度の駅伝と42キロのマラソンでは距離が違う。箱根で活躍した選手を含め、駅伝出身選手はマラソンに転向すると大成しないという声もあります。
「確かに距離は違いますが、僕は駅伝の走りはマラソンに生かせると思います。そもそも2つが別物とも思っていません。駅伝からマラソンに転向して世界で戦うためには、スタミナ強化を含めそれなりの体づくりはしないといけません。でも逆にそれをしっかりやれば世界でも戦える。僕もそうやって少しずつ強化してきました。だから『箱根駅伝で活躍した選手はマラソンではダメ』というのは当てはまらない。もし、箱根駅伝の選手が実業団で活躍できないとすれば、それは選手の目標の問題ではないかと」
――と、いいますと?
「例えば、箱根駅伝は大学時代の4年間で4回しか走れないという明確な目標があります。選手もその目標に向かって自然とモチベーションが上がる。でも、その後に実業団に入ると、箱根駅伝ほどの高い目標がなくなる。それで、どこに目標を置いていいかわからなくなってしまうのではないでしょうか」