世陸マラソン代表今井正人が語る「箱根駅伝」と「長期低迷」
――箱根で活躍した選手は「燃え尽き症候群」に陥ると?
「というよりは、気持ちの切り替えです。実際、僕が実業団入りして感じるのは、箱根を走った選手は実業団に入って目がキラキラしなくなっているかなと思いますから」
――今井選手はそうならなかった?
「大学時代は箱根駅伝での優勝を目指していましたが、もともとの目標はマラソン選手でしたから。大学で4回箱根を走って、最後の年に運よく優勝もできた。それでスパッと区切りがつけられた。だから、その後の低迷を箱根と紐付けられるのはもどかしいのです」
■給水の中身を変えたで後半失速を克服
――実業団でのマラソンは、後半30キロ過ぎの勝負どころで失速する印象が強かった。後半の失速を克服したきっかけは何ですか?
「今思えば、ロンドン五輪の選考会(12年3月、びわ湖毎日マラソン)後の取り組みでしょうか。選考会で結果が出ず(42位)、かなり落ち込みました。『何で思い通りのレースができないんだろう』と。その時に考えたのが、『これからのレースは1レース1つの課題をクリアしていく』ということでした。それまではレースになると、あれもこれもやって完璧に走ろうと考えて、全部が中途半端に終わっていました。だから、あるレースはタイムであったり、別のレースではペースだったりと、レースごとに課題を絞ったのです。そうすることによって、徐々に課題をクリアしていけるようになったと思っています。あとは、レースでの給水の内容物を変えたのも大きかったかもしれません」