選手は感化、球団ウハウハ 広島黒田が生み出す“莫大な効果”
黒田の取り組みはすでに、チームに好影響をもたらしている。広島は今季からこの黒田をはじめ、前田とジョンソンの3先発投手について、登板日には全体のアップを免除する調整を取り入れた。畝投手コーチが言う。
「ブラウン監督時代にもやっていて、先発投手が調整しやすいならそれでやってみようと。今は経験のある3人だけがやっているが、今後、他の先発投手も取り入れるかもしれない」
これは黒田と首脳陣との間で話し合いがもたれて導入されたという。開幕カードは前田、ジョンソンも揃って好投。さっそく「黒田効果」が出たとチーム関係者も相好を崩す。
昨季新人王を獲得した大卒2年目の大瀬良はキャンプ終盤の3月1日、黒田から宝刀ツーシームを伝授された。大瀬良は会話の中で、黒田が重要視する「1球の重み」についてこんなアドバイスを受けたという。
「勇気を振り絞って45分間ほど、いろんなお話を聞かせてもらった。その前日(2月28日)に日本ハムとの練習試合で先発し、三回に西川に2-3からカットボールを本塁打された。黒田さんはその試合を見ていて、『俺もメジャーで西川のようなタイプの打者に一発を打たれてた苦い思い出がある』と。『西川のように左打者であまり体が大きくなく、引っ張り系の打者は中に入ってくるボールは強い印象がある。もう少し外角でひっかけさせるとか、内に投げるなら厳しくいった方がいいんじゃないか』といったアドバイスをいただきました。自分があまり考えていなかった配球だった。成功した例も失敗した例も還元していただいてうれしかった」