精彩欠く阪神・上本…新打線キーマンを襲った「2番の重圧」
「グラウンドでの表情がちょっと暗いですね」
3日の巨人戦、2番・二塁でスタメン出場した上本博紀(28)について、阪神OBの評論家・福間納氏がこう言った。
チームは勝ったが、この日は5打数無安打で打率は.160。バント失敗もあった。2日のヤクルト戦では2失策を犯すなど、開幕から2番に座る男が精彩を欠いている。
昨季は1番打者としてブレークし、今季はキャンプ、オープン戦を通じて西岡との二塁争いを制した。和田監督は上本を高く買っていて、自身が目指す「超攻撃打線」の目玉として、鳥谷、上本による「1、2番コンビ」を組ませた。しかし上本が機能しなければ、打順の練り直しを迫られる。
「今は『2番の重圧』を感じているのだろう」
とは、前出の福間氏。
「前後を打つ鳥谷、西岡が結果を残しているだけに、上本が機能すれば、阪神打線はさらなる破壊力を持つ。和田監督も現役時代に2番・二塁を任されていたこともある。上本に2番としての役割を肌で感じてほしいと思っているんだろう。上本は右打ちができる点では和田監督の現役時代と同じだが、盗塁を稼げるし、長打も打てる。和田監督は当面打てなくても2番で使い続けるだろう。ただ、2番と昨年打っていた1番とでは『打席での自由度』が違う。先頭の鳥谷が出塁すれば、バントやエンドラン、盗塁のサポートをはじめ、進塁打が求められたり、カウントごとに目まぐるしく作戦が変わることもある。考えること、感じることが多くなる。今は2番への戸惑いもあるだろうし、慣れも必要だが、上本が打たなくてもチームに勝ちがついているのだから、自分がやれることは何かということに集中して、思い切ってプレーをしたらいいのです」
今が踏ん張りどころだ。