優等生デスパイネに課せられたキューバ政府からの“使命”
キューバと米国は現在、国交回復に向けて交渉中。11日にはオバマ、カストロの両首脳が中米パナマで会談。両国の首脳がヒザをつき合わせて会談するのは59年ぶりと話題になっているが、現地情報に詳しい在米記者が言う。
「国交正常化交渉がうまくいくとは限らないのです。キューバとしては国交を回復させて、ひとりでも多くの選手をメジャーに送り込みたい。政府は多額の契約金と年俸の一部を外貨として獲得でき、選手は亡命せずともメジャーでプレーできる。グリエルもそれを見越して日本行きを拒否したのだろう。しかし、米国では昨年の中間選挙で民主党が大敗。オバマの支持率も急落している。オバマは任期中にキューバとの国交を回復させて実績をつくりたいのですが、上院、下院ともに過半数を占める共和党は国交回復に反対です」
国交が回復しなければ、キューバ政府の狙う外貨獲得は絵に描いたモチ。いずれにせよ、交渉には時間がかかる。米国とのルートが確立できない間、キューバ政府は日本のプロ野球相手に稼ぐしかない。そこにきて「キューバ選手はセペダのようなロートルか、グリエルのようないい加減なヤツばかり」と敬遠されたら、商売上がったり。つまり、マジメで打てるデスパイネを使って、日本との関係を維持しようと必死になっているのだ。