<第13回>看護師が驚嘆!「ずいぶんしっかりした顔」で生まれ、たくさん寝て育った
それは暑い夏だった。1994年、岩手の盛岡は真夏日が48日間もあった。48日間は今も記録として残っている。
その盛岡から50キロほど南に下った奥州市水沢区の平間産婦人科で大谷が産声を上げたのは7月5日午後9時6分、猛暑に差し掛かったころだった。
大谷の母・加代子(51)が当時を振り返ってこう言う。
「お産は3人目でしたからね。夜になり、陣痛が来たなというのがわかって、お父さん(徹・52)に病院に車で送ってもらったんです。お兄ちゃん(龍太・27歳)は小学生、お姉ちゃん(結香・22歳)はまだ2歳。一緒に病院に来てくれたのですが、まだ小さくてうるさいだけですからね。お父さんと一緒にその日はいったん家に帰ってもらって、会いに来てくれたのは翌日でした。その年は特に暑く、退院したあたりから真夏日が続き、社宅のエアコンをつけっ放しにしていたことは覚えています」
体重は3400グラム。赤ん坊としては大きい方だった。生まれたての赤ん坊は通常、顔が猿みたいにしわくちゃだから、看護師は「ずいぶん、顔つきがしっかりしたお子さんですね」と驚いた。