捕手復帰の果てに…巨人・阿部の故障は「人災」とOB苦言
「だから言わんこっちゃない。原監督はこれが嫌だったんでしょう。これが怖かったから、今年から阿部を一塁へコンバートしたんでしょう。起こるべくして起こった故障ですよ」
巨人OBの評論家、高橋善正氏が憤慨しながらこう言った。
17日の阪神戦の初回、阿部慎之助(36)が攻撃中に負傷交代。1点を先制した直後の2死二塁で右翼線に適時二塁打を放った際の走塁中に足を痛めた。二塁ベース上で顔をしかめ、ベンチに向かって両手で「バツ」のサイン。そのまま小林が代走に送られた。
球団発表は「左太もも裏に異常を感じたため」。阿部はアイシング治療後に「(程度は)まだ分からない」と話し、試合中に球場を後にした。貧打のチームにあって打率.333。18日に検査を受ける予定だが、もし主砲が長期離脱するようなら緊急事態だ。高橋氏が続ける。
「捕手として11試合目。もちろん選手として情けないとは思う。しかし、阿部はここ数年、足のケガを繰り返していた。立ったり座ったりを繰り返す捕手は他のポジションより足腰への負担が大きい。1年を通じて捕手はムリだと、一塁で打撃に専念して欲しいということで原監督はコンバートを決めた。大きな決断だったわけです。それがチーム状態が悪いからと、わずか開幕7試合目で捕手に戻した。厳しい言い方をすれば、これは“人災”でしょう。一時的にチーム状態は上向いても、もし阿部が長期離脱するようなら、そっちの方がはるかに痛い。それ以上に、巨人ナインに『だから一塁だったんじゃないのか』と捕手復帰へのわだかまりが残ることが問題。メンタル面で選手が不信感を抱くことが一番怖いことなんです」