プロ野球の歴史をみれば、試合数に変動はあっても年間に780~864試合も行われている。それでも、1950年の藤本英雄(巨人)から1994年の槙原寛己まで達成者はたったの15人しかいない。
「だから私は、宝くじで6億円を当てるより難しいと思っています。完全試合は実力を超越した、いわば奇跡の記録ですよ」(前出・高橋氏)
先発投手という「生き物」は、マウンドにあがれば完全試合を目指し、四死球を出せばノーヒットノーラン、1本打たれたら完封、1点取られた完投を狙うそうだが、「力んでしまうと、球が上ずる」と悔やんだ岩田は何ひとつ手にできなかった。