西武・森が外野練習 「打てる捕手」の育成を放棄する球団の愚
その光景を見た瞬間、ある日本ハム関係者は思わず「ウソだろ!?」と叫びそうになった。
14日の試合前、西武の森友哉(19)が外野の守備練習をしていたのだ。
森はもっか打率.326、7本塁打、20打点。高卒2年目にして、打撃はいよいよ磨きがかかっている。とはいえ、出番はDHのみ。本職の捕手業は正捕手の炭谷がいるため、開店休業状態。それではDHのないセとの交流戦で出番がなくなるため、首脳陣は森を急造外野手として促成栽培しようとしている。
西武は一塁にメヒア、三塁に中村と、昨季の本塁打王2人がレギュラーを張っている。外野は左翼栗山、中堅秋山は動かせない。となれば、スタメンが固定できない右翼しか、森が交流戦で守る場所はない――というのが西武側の言い分だ。
昨季は開幕早々に優勝争いから脱落。当時ルーキーの森を昇格させ、スタメンマスクをかぶらせる余裕もあった。今季は首位キープとあって「冒険」はしたくないのだろうが、ただでさえ捕手の育成には時間がかかるのに、経験を積ませる機会すらも奪っては成長するものもしない。