12球団トップの長打率 西武・森友哉「フルスイング」の魅力
今、わざわざ球場に足を運ぶのならば、この男を見に行かない手はない。西武の高卒2年目、森友哉(19)だ。
8日のロッテ戦では三回に右翼スタンド上段へ7号ソロを叩き込むと、七、八回には連続二塁打。5打数3安打2打点と大暴れした。
打率.331はリーグ3位、7本塁打は同4位タイ。さらに長打率.610に至っては文句なしの12球団トップなのだ。
170センチ、80キロという小兵ながら、バットを持たせればその迫力は球界随一。森の母校は中村(西武)や中田(日本ハム)、西岡(阪神)らを輩出した強豪大阪桐蔭。その西谷監督が歴代OBを差し置いて、「森が卒業生ナンバーワン」と評価するのがアジャスト能力だ。かつてスポーツ雑誌の取材にこう答えていた。
「ボールをミートするという単純な意味ではない。ボールを捉える能力が高いんです。最後までボールをしっかり捉えて、ボールにアジャストする能力は卒業生で一番です」
そんな卓越した能力に加え、風を切る音が聞こえてきそうなフルスイングが持ち味。二塁打12本もリーグトップとあれば、バットを振ればほぼ確実に長打になる。振り回す分、三振も同3位の32個と多いが、それもまた魅力のひとつだろう。
もっとも、DHのない交流戦のセ主催試合では捕手起用になる。本職だが、評価の低い捕手業で頭がグチャグチャになれば、売りのバットも鈍りかねない。交流戦の開幕は今月26日。やっぱり、森を見に行くなら今しかない。