17年前の日本一チームに酷似 データが示すDeNA「優勝の条件」
■先制で勝利が多かった98年の「日本一ベイ」
意外な盲点もある。98年は4得点以上が78試合。全136試合の57%。優勝条件の6割前後をクリアしていた。今年は39試合までで20試合。ここを18勝2敗は頼もしいが、打てなかった3得点以下も19試合ある。ここで5勝14敗(勝率・263)は仕方ない。勝率3割前後よりも低い普遍は覆らないからだ。
リーグ最多の29本塁打、152得点ながら、3得点以下の試合が多いパラドックス。
解決策は先制点にある。八回が最高得点イニングだった98年も、半数以上の56%、76試合で先制し勝利を呼んだ。今年は40%しか先制していない。初回に失点グセのある投手陣に問題もあるが、中盤以降の大量点勝利より、序盤に得点を重ねる集中力こそ優勝への道に他ならない。
4月24日の中日戦は3連戦初戦に8対1で快勝。結局3連勝してこれが快進撃の、のろしとなった。初回3番梶谷がタイムリーで先制。3回裏に4番筒香が6号満塁アーチ。このように、先制し、序盤で試合の主導権を握る勝利パターンを今後は増やすことが必要だ。
▽小野俊哉(おの・としや)=1961年岡山出身。スポーツ・アクセス㈲代表取締役。早大理工学部卒、味の素、住友金属工業を経て、03年同社設立。プロ野球、メジャーリーグの記録を分析、評論し各メディアやメジャー球団に情報を提供している。