森脇監督休養のオリが露呈した日本球界の“悪しき体質”とは

公開日: 更新日:

■低迷の責任はベンチに押しつけ

 同じ在阪球団の阪神も、和田監督の今季限りでのクビ、もしくは途中休養が囁かれているものの、「阪神にしても根本的な問題点は現場よりフロント。人気があって客が入るから、編成やチームづくりがうまくいかなくてもフロントは責任を問われない。低迷の責任を首脳陣に押し付けてその場をしのぐことをずっと前から繰り返している」(工藤氏)というのだ。

 もちろん、現場責任者である監督の手腕は重要だ。選手起用や采配で勝てる試合は限られていても、指揮官のミスによって負ける試合はいくらでもある。「ベンチがアホだから勝てない」のは事実でも、それ以上に重要なのが監督によって左右されない長期的視野に立ったチームづくりだ。

「チームづくりを担うのは監督でなくGMなどのフロントですが、プロ野球のフロントにはシロウトが多過ぎるのです。メジャーのようにインターンからチームづくりの基礎を学んでいくシステムが日本にはない。GMが戦力を整え、その戦力を生かせる監督を連れてきて指揮を執らせる。戦力を生かせなければ監督が解任され、チームづくりが根底から間違っていればGMのクビが飛ぶ。そうやって責任の所在をハッキリさせないから、負ければフロントが監督、コーチに責任を押し付け、詰め腹を切らせる愚行が繰り返されるのです」(工藤氏)

 日本球界もフロントのプロの育成に力を注ぐべきだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  2. 7

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  3. 8

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

  4. 9

    巨人・坂本勇人は「最悪の状態」…他球団からも心配される深刻打撃不振の哀れ

  5. 10

    佐々木朗希よ…せめてあと1年、吉井監督の下で準備期間を過ごせなかったのか。メジャーはそんなに甘くない

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情