突出する清宮君が心配だ
西東京大会が早実の1年生スラッガー「清宮フィーバー」に沸いている。24日に神宮球場で行われた準決勝の日大三戦は、1万3000人の観衆が詰め掛け、報道陣は約150人という異常な熱気である。
横浜が甲子園春夏連覇を達成した98年の「松坂フィーバー」を思い出す。
当時、部長だった私は殺到するファンや報道陣への対応に追われた。夏の甲子園中からフィーバーが始まり、松坂が移動するたびに「写真撮ってくださ~い!」「サインくださ~い!」と殺気立ったファンにもみくちゃにされるため、私が傍らに付き添いガードした。取材申し込みはざっと30社以上。試合後の囲み取材以外は全て断った。大会期間中、唯一、テレビ朝日系の「熱闘甲子園」の取材だけは受けた。当時のキャスターは巨人の長嶋茂雄氏の娘・長島三奈さん。人柄が良かったことと、私がミスターファンだったこともあり、宿舎の松坂の部屋での取材を特別に許可した。他局にブーイングされたが、野球の指導に集中できないほど、周囲に忙殺されたのを覚えている。
ただ、当の松坂はマイペースで野球に支障が出なかったのは感心した。オレが松坂だ! と天狗になることもなかった。