相棒が渡辺でなかったら私の指導者人生は終わっていた
漠然と「来夏までかな」と思っていた。横浜高校の渡辺元智監督(70)が今夏限りで退任することになった。後任は平田徹部長(32)が務める。
もともと、「一緒に辞めよう」と話していた。横浜高野球部同期の渡辺との指導者コンビは通算20年以上。二人三脚で歩んできた私が昨夏にチームを去ったことで、さまざまな負担が増えたことも要因だろう。
現在は体調を崩して入院しているため、14日に病院へ見舞いに行ってきた。本人は「ここで放り投げることはできない。体調が回復したらグラウンドに出る」と気丈だった。今の1年生の中には渡辺を頼りに入学した生徒がいる。今後は終身名誉監督の立場で指導に携わるという。
長い付き合いになる。渡辺が監督で私は部長兼コーチ。常に彼が2、3歳上だと思って接してきた。私は野球の技術、戦術面を徹底的に選手たちに叩き込む。人間教育に定評がある渡辺は、部員の精神面を指導、野球を通じて「生き方」を説く。挨拶の仕方から茶碗の持ち方まで、私生活のありとあらゆるところにまで教育は及ぶ。