現役最多安打の松井稼が語る 「対戦して手ごわかった投手は」
「伊良部さんは強烈でしたね。対戦したときはまだボクも若手で、多分、真剣に相手にしてくれなかったと思う。それでもあの真っすぐとフォークは怖いくらいでしたよ」
いずれも、150キロを超える真っすぐを持っていた投手です。
■自由自在の制球力が共通点
「いや、スピードはもちろんですけど、伊良部さんも和巳もダルビッシュも、超がつく一流投手に共通するのはコントロールです。速いうえに制球がいい。ストライクゾーンにくるという制球力じゃなくて、ストライクからボール、ボールからストライクにできるというコントロール。それが自由自在にできてうまい。メジャーで強烈なインパクトを感じたジェイソン・シュミット、グレッグ・マダックス、カート・シリング、ジョシュ・ベケット、ジョン・スモルツもそうです。マダックスなんて最初のうちは、ボクの打席では外角しか投げてくれませんでした。ツーシームとスライダーとチェンジアップを外に出し入れするだけ。なんとか対応できるようになって初めてインコースを使ってきた。子ども扱いです」
もうひとつ超一流投手に共通するのが「ピンチになったときの球の質。ここ一番でスピード、球威、キレなどすべてのボールの質がもう一段階上がる」という稼頭央が、「対戦相手ではありませんが」と言ったのが、楽天の元後輩で現ヤンキースの田中将大です。