CSもあるのに 虎指揮官「辞任発表」のタイミングに評論家苦言
和田監督(53)の辞任が決まっている阪神が来季以降の体制を少しでも早く固めたい事情は分かる。新たなスタッフ候補の中には和田監督とソリの合わない人もいるそうだから、あるいは彼らを招聘しやすくする狙いもあるのかもしれない。阪神情報をメシの種にする在阪マスコミの取材攻勢がハンパじゃない背景も理解できる。
しかし、だからといって、まだCSから日本シリーズへと進む可能性が残っているチームの指揮官の退任を、よりによってこの時期に公表する必要があるのか。
「たとえ内部の決定事項をマスコミが報じていたとしても、それを公然と認めてしまったり、発表したりする意味はまったくありませんよ」と、評論家の山崎裕之氏がこう言った。
「阪神はいま、CS出場をかけて広島と3位争いをしています。これからCSに出て、日本シリーズに駒を進める可能性もあるわけです。そんな時期に監督が今季限りだと発表すれば、チームの士気は確実に下がってしまう。ナインの気持ちはベンチから離れてしまうでしょうし、中には次期監督はだれかと気もそぞろの選手も出てくる。チーム一丸となって目の前の試合に集中することなどできませんよ。フロントや親会社が監督の退任を決め、次期監督の人選をするのは分かります。動きを察知したマスコミも騒ぐでしょう。けれども、球団がそれを認めてはいけない。何も言えないとか、とぼけていればいいだけじゃないですか。フロントや親会社の姿勢は理解に苦しみます」