CSロッテ戦が“お手本” 挑むヤクルトは「初戦勝利」あるのみ
24日に開幕する日本シリーズ。今季はセ・パの1位同士の対決だが、その戦力差は歴然。王者ソフトバンクに挑戦者ヤクルトが挑む、と思われても仕方がないだろう。
格下が格上に勝つためにはどうすればいいのか。ヤクルトにとって参考になるのが、ソフトバンクのCSファイナルステージ初戦だ。
結論から言えばソフトバンクの3連勝で終わったが、初戦はロッテと一進一退の攻防。決して楽な戦いではなかった。ロッテ伊東監督は2失点の先発大嶺を3回で降ろすと、小刻みな継投勝負。ソフトバンクは藤岡以下のリリーフ陣に手も足も出ず、「あわや」という場面もあった。最後は延長十回でロッテが根負けしたが、このシリーズでソフトバンクを最も苦しめた戦いだった。
もしロッテが初戦を制していれば、王者ソフトバンクの困惑はその後も続いたはず。ヤクルトも格上に挑むという意味では、ロッテと同じような立場である。
ソフトバンクの工藤監督は19日の決起集会で、「僕らが目指すのは日本シリーズ連覇。絶対に成し遂げる、という強い意志を持ってほしい」とナインにハッパをかけた。自信と慢心は表裏一体。出はなをくじかれれば戸惑いが生じかねず、「勝たなきゃいけない」というプレッシャーにもつながりかねない。
ソフトバンクは今季の同一カード初戦に限れば、31勝17敗3分け。付け入る隙が決してないわけではないのだ。
ヤクルトが考えるべきは、まず初戦を勝つこと。先制パンチを食らわせるしかない。