NPB調査委に問われる 野球賭博「真相究明」への本気度

公開日: 更新日:

「事実の解明はかなりのところまで進んだ。八百長の共謀などは今のところ認められない」

 21日の会見で、NPB調査委の大鶴基成委員長(60)はこう言い切った。だが、調査委がじっくりと腰を据えて真相を究明する気があるのかは不透明だ。

 まず事件の渦中にある巨人=「読売グループ」とNPBの関係だ。熊崎勝彦コミッショナー(73)は元東京地検特捜部長として、長い間、日本テレビでコメンテーターを務めていたし、昨年、コミッショナーに就いた時も「読売人事」といわれたものだ。大鶴氏はその熊崎氏の1回り下の後輩なのだ。

 NPBと読売の関係にも疑問符が付く。侍ジャパン事業を引き継いだ「NPBエンタープライズ」の社長は元日テレ幹部。同社が手掛けた「日米野球」の主催は読売新聞社だ。その読売の監査役は元財務次官の勝栄二郎氏で、日本テレビホールディングスと日本テレビの社外取締役には元財務次官の真砂靖氏がいる。要するにこうやって人事面で霞が関を牛耳っている読売に対して、大鶴調査委員長が真相に迫り、ウミを吐き出せるのだろうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…