内村鉄棒落下の余波 強打箇所より“痛い”「審判団の目」
体操の世界選手権(英国・グラスゴー)で78年仏ストラスブール大会以来、37年ぶりの団体総合を制した日本男子。来年のリオ五輪では04年アテネ以来の金メダル獲得を期待されるが、楽観視はできない。
団体決勝の鉄棒で内村航平(26)、田中佑典(25)の両エースが相次いで落下し、スコアは伸びず、6種目合計270.818点。2位英国とはわずか0.473点差で辛くも逃げ切った。
内村は予選のゆかでも大技の着地に失敗し頭部を強打するミスが出た。絶対王者といわれた内村に陰りが見え始めたことで、リオでの金メダル取りは厳しくなりそうだ。今大会でミスが続出したため、国際審判の印象度が下がる可能性もあるからだ。
多くの採点競技は審判の心証も得点を左右するといわれる。同じ体操競技の新体操団体「フェアリー・ジャパン」が9月の世界選手権で種目別リボンで40年ぶりのメダル(銅)を獲得したのは、欧州の国際大会で安定した演技を披露したことが審判の高評価につながったからだ。シンクロにしても7月の世界水泳でチーム、デュエットとも4大会ぶりのメダルは、昨年のW杯で格上ウクライナを破って3位に入ったことがレフェリーの印象度を高めたからだといわれる。
表向きには体操の判定に審判の主観は入りにくいとされるが、リオの団体で金を取るには内村を筆頭にケチのつけようがない完璧な演技を披露するしかない。