エース内村に陰り? 体操日本男子37年ぶりも“薄氷”の団体V
最後は冷や汗ものだった。体操の世界選手権(英国・グラスゴー)は28日(日本時間29日未明)、男子団体総合決勝を行い、予選を1位で通過した日本は合計270.818点で優勝。世界選手権ではライバル中国の連覇を6で止め、78年仏ストラスブール大会以来37年ぶり6度目の金メダルを獲得した。
日本はエースの内村航平(26)が5種目目の跳馬まで安定した演技を披露。予選のゆかで頭から落下し、痛めた首と肩の不安を感じさせなかった。「ひねり王子」こと白井健三(19)がゆかで16.325点、萱和磨(18)は得意のあん馬で15.400点をマークするなど首位をキープして最終種目の鉄棒を迎えた。
最後の鉄棒では3人の演技者が14点を挙げれば優勝が決まる楽な状況も、日本にまさかのミスが出る。
1番手の加藤凌平(22)こそ無難にまとめ15点を出したが、続く田中佑典(25)が落下。13.666点とスコアを伸ばせない。この間に英国が最終演技で2位に浮上し日本に13.993点差と迫った。日本の大トリを務めるのは内村だけに英国の選手たちの間からは諦めムードが漂ったが、絶対王者がまさかのミス。難度の高い離れ技の「カッシーナ」を試みたものの、バーをつかめずに落下したのだ。得点源の大技でミスする痛い展開の中、その後は安定した演技を見せたが、14.466と平凡な得点。わずか0.473点差で2位の英国をかわす薄氷の勝利だった。