行司に進退伺を出させるのは酷じゃないのか?
「進退伺」とは、中間管理職が組織のトップに、こっそり、「……ええ、実はその~」と切り出すお伺いなのだ。陰湿な雰囲気がするのはそのせいかもしれん。阪神監督時代の野村克也は毎年出してたそうだ。「成績が悪ければ出すのが当たり前」という覚悟が見える例か?
で、行司の進退伺がモンダイだと思うのは、行司が中間管理職でもなんでもないことだ。行司は他のスポーツ審判とは違って何の権限も持たされていない、ただの祭祀取り回し役。勝敗を決する権限もないのに「どっちが勝ったか判断しなきゃならない」ってヘンじゃねえか?
しかも、「焼くなと煮るなと、好きにしてくだせえまし」と申し出る相手が、日本相撲協会のトップだっちゅうことよ。はっは、笑っちゃうぜ。「謹慎3日で許してつかわす」と命ずる力量と指導力がトップにあるんかい? 八百長事件の時にトップが「進退伺」出したか?
「うるせえよマツザキ。進退伺を出す相手がいなきゃしようがねえだろ。放っておいてもらおう」
と居直られりゃ言い返せぬ。理事長が「進退伺」出す相手は……相撲ファンか? 相撲ファンにはお裁きを下す権限がない。トップとそのお仲間はやりたい放題。