MLB毎年100人超申請の年俸調停 日本で5年間ゼロはなぜ?
レッドソックスの田沢純一(29)が年俸調停を回避、約3億9000万円の1年契約で合意したことが分かった。米CBSスポーツが報じた。
メジャーは6年プレーすれば、手を挙げて好きな球団に移籍できるFAの権利を取得する。年俸調停はそれ以前に活躍した選手のための救済措置で、3年で権利が生じる。
昨季は61試合にリリーフ登板して2勝7敗、防御率4.14。抑えの上原につなぐセットアッパー役を務めた。本人は2億7000万円から2億2000万円増の4億9000万円を要求したものの、球団側は3億2000万円を提示。田沢はそれじゃ不満だと、年俸調停を申請した。
メジャーは毎年、100人を超す選手が年俸調停を申請する。実際に公聴会まで持ち込まれた場合、球団側、もしくは選手側の折衷案で決着することはない。一方の主張を全面的に受け入れるため、今回のように調停を回避して、両者の中間に近い金額で手を打つケースがほとんどだ。
■ブツブツ言う選手が泣きを見る?
翻って日本のプロ野球界で、調停制度は有名無実化している。メジャーの「3年」のような縛りがないのに、過去に年俸調停を申請した選手はたったの7人。最近では10年に西武(当時)の涌井秀章が申請し、本人の希望と球団提示のほぼ中間の2億5300万円で決着して以来、調停を申請する選手はひとりもいない。その7人にしても調停から2、3年後以内にFA、もしくはトレード、自由契約、戦力外などで結果として球団を去っている。カネでブツブツ言う選手はいらないという風潮すらある。