琴奨菊これから正念場 10年ぶり日本出身力士Vへクセ者続く
むしろここからが正念場だ。
12日目に横綱日馬富士を下し、無傷の12連勝で10年ぶりの日本出身力士優勝に近づいた大関琴奨菊(31)。この3日間でモンゴル人横綱3人を立て続けに破る快挙に、「すでに優勝は決まった」と見る向きも多いだろう。
しかし、そう簡単に事が運ぶとも思えない。琴奨菊にとって、今場所最大の山場が過ぎたことは間違いない。13日目のきょうは前頭7枚目の豊ノ島と当たり、残る2日で大関豪栄道と関脇栃煌山と対戦することが予想されるが、いずれも一癖も二癖もある力士ばかりだ。
琴奨菊は「残りも3日間、集中するだけです」と話すが、ある親方は「本人がそう言っても……」と、こう言う。
「いくら集中しようと思っていても、難関を越えたことで無意識に油断してしまうことは、勝負の世界では珍しくない。琴奨菊は好不調の波が激しく、どちらかといえば15日間、集中力がもたない力士。今場所は立ち合いから迷いなく攻める姿勢が快進撃につながっているが、『確実に仕留めよう』と守りに入れば、出足が鈍りかねない。そうなった時は危険です」