楽天梨田監督 キャンプ初日に開幕投手指名の裏事情
1日、楽天の梨田新監督は開幕投手に昨季10勝11敗の則本(25)を指名。指揮官から直接、吉報を告げられた則本は、
「(開幕戦の)3月25日には100%のパフォーマンスができるように準備したい」と、鼻息も荒く話した。
それにしても、早い。過去にもこの時期に開幕投手を決めた球団はないわけではない。今季のDeNAのようにキャンプ前から指名する球団もあるが、それはごくまれ。多くの場合、指揮官はあえて明言しないことによって、投手陣を競わせていた。
梨田監督がそうした慣例を破ったのはなぜか。ある球団OBは「じゃあ、他に候補がいますか?」とこう話す。
「則本は昨季、チーム唯一の2ケタ勝利。次点は7勝の戸村ですが、こちらは登板試合の半数が中継ぎ。先発では6勝です。あとは5勝の辛島や4勝の菊池らしかいない。仮に『開幕投手争いだ』とハッパをかけたところで、現実味がない。そうした競争は同等のレベルの投手が数人いてこそ成り立つ。それならば最初から則本と決めて、しっかり調整させた方がマシですよ」
ルーキーイヤー(13年)から4年連続開幕というのは則本が球界初。13年は田中(現ヤンキース)がWBCに出場したため、お鉢が回ってきた。あれから3年、則本と並び立つ先発投手は誰も育っていない。楽天の投手不足、ここに極まれり、とも言えるのだ。