肉体改造成功も…ダルの「ビルドアップ」に見えない不安
ビルドアップしたダルを見た同僚の間からは「筋肉を付け過ぎた反動が出て故障が心配」などと懐疑的な声も聞こえるそうだが、本人は意に介さない。ダルは「95マイル(約153キロ)の球を100%の力で投げるのと80%で投げるのとは全然違う。だからある程度、筋肉量を増やさないと」と力説した。
体脂肪の増加を防ぐため、これまで以上に食事にも気を配るなど、6月上旬の復帰を目指して肉体改造は順調なようだが、今季の完全復活を期待するのは早計だ。
いくら筋肉量を増やしても、下半身を強化していなければ、元のもくあみになりかねないからだ。肘の靱帯を損傷したり、断裂する原因は長年の勤続疲労に加えて下半身、特に股関節に故障を抱えていたり、硬いケースも考えられる。股関節に異常がある場合、投球の際に体がうまく回転しないため、下半身の力が上体に伝わりにくい。いきおい、上体に頼って投げるようになり、肘に負担がかかって致命傷になるケースもあるといわれる。
ビルドアップした体同様、進化した投球を披露できるかはダルの下半身次第だ。