初黒星の燕ドラ1原に沢村賞OBが“シュートの使い方”助言
「最後のあの場面、あの1球で台無しにしてしまった……」
こう言って悔しさをにじませたのは、ヤクルトのドラフト1位・原樹理(22=東洋大)。3日の中日戦に先発して六回まで1失点に抑えたが、七回に落とし穴が待っていた。2-1で迎えた2死一塁で桂に逆転2ランを被弾。抜けたカットボールを打たれ、プロ初勝利はお預けとなった。
「受け身にならず、よく攻めていた。いい勉強をしたと思う」と高津投手コーチは、武器であるシュートで右打者の内角を突き、中日打線に立ち向かった姿勢を評価。七回3失点は上々の結果だが、「1球の重み」を痛感した。
そんな新人の投球をネット裏から見つめていたのが98年に最多勝、沢村賞を獲得した元エースでヤクルトOBの川崎憲次郎氏(45)。この日、始球式に登場した川崎氏は原と同じくシュートを武器に通算88勝を挙げた。
「まだ新人。今は打たれないことに必死だと思う。ボク自身も投球スタイルを確立するのに10年かかった……」と前置きしつつ、こう言った。