選手を称賛も采配は無情…巨人・由伸監督の“本音と建前”
■勝負に徹して情けはかけない
投手についても、采配と試合後のコメントが一致しないことがある。例えば、17日の広島戦。五回まで1安打無失点に抑えていた先発の今村が六回2死から菊池に同点本塁打を浴び、続く丸に内野安打されると、田原誠にスイッチした。球数はまだ90球。指揮官は「今日は言うことがない。素晴らしい投球だった」と絶賛していたが、六回途中で交代しては、仮に次の回に味方が得点しても勝利投手の権利はなくなる。
22歳左腕をホメ称えながら、勝負は別と割り切って情けはかけない。「なんとかあの回までと思っていたが、同点になったことで、あとはリリーフに託した方がいいと思った」とニッコリ笑うあたり、なかなかの監督ぶりである。
7日の阪神戦でプロ初先発した高卒3年目の平良に対してもそう。四回途中4失点の内容を「全体的に良かったと思う。(失点は3四球が絡んだが)その中でも良かった点の方が多い。楽しみな選手」とホメちぎって、しっかり二軍落ちを通告した。
ソフトで優しい口調と外見とは別の顔を持っている。