昇格の守屋を先発抜擢 阪神・金本監督が貫く“超実力主義”
高校球児のようだった。ピンチになると、大きく深呼吸した。表情には緊張感がアリアリと浮かんだ。それでも若武者は、臆さず力強く腕を振った。
20日のヤクルト戦でプロ2年目にして初先発した守屋功輝(22)。山田に特大のアーチを打たれるなどプロの洗礼を浴びたが、必死で投げる姿に辛口の虎党も、降板時に温かい拍手を送った。
キャンプ、開幕ともに二軍スタートだった。二軍で5試合に登板し、1勝0敗、防御率1.96と結果を残した。中継ぎの福原がこの日、不調で二軍降格。藤川も二軍調整するなど投手事情が悪化する中で、一軍昇格させて即起用。金本監督は「ストライクを入れるのが精いっぱいという感じだったが、いい経験にしてほしい」と言った。
サイドハンドで球が打者の手元で微妙に動くのが特徴。倉敷工、ホンダ鈴鹿では大舞台の経験がほとんどない。どちらかといえば中継ぎタイプで、直球、変化球の球質、制球もまだまだ発展途上の選手。
「いくら二軍で活躍したとはいえ、かなりの大抜擢だといえます」(阪神OB)