「実刑でもよかった」 元特捜検事が清原被告判決に疑問符
法律の専門家も執行猶予付きの判決にクビをかしげる。元特捜検事で弁護士の郷原信郎氏はこう言った。
「覚醒剤事犯の場合、初犯に対しては、ほとんど執行猶予つきの判決が出されます。裁判官はおそらく量刑相場に従ったのでしょう。しかし、再犯の可能性が低いならともかく、清原被告はこれから置かれるだろう環境を考えたら、孤独のうちに更生しなければならない。執行猶予はあくまで本人の更生に確信がもてる場合のみのもので、本当の意味で更生させようと思ったら、思い切って実刑にしてもよかったのではないか。覚醒剤は再犯率が高いにもかかわらず、かつて江夏氏が立ち直ったのは、初犯で実刑という量刑が大きいと思う。物理的に覚醒剤から隔絶されるわけですから」
覚醒剤は非常に再犯率が高い。年齢を重ねるごとに再犯の可能性は高くなり、50代以上は実に83.1%に上る。執行猶予期間中の4年間、再びクスリに手を出せば2年6月とは比べものにならないくらいの重い処分が待っている。それだったら「量刑相場」ではなく、最初から実刑に処すのが本人のためということだ。
「執行猶予4年ということは、今後、堂々と世間を歩けるわけです。これでは周囲の環境は何も変わらない。野球でストレスを解消できなくなったという本人の言葉を信じるなら、いまも置かれた状況は同じわけです。刑務所に入れば嫌でも自分の置かれている立場が分かるでしょうし、何か見えてくるものもあるはずですから。この日の判決にはどうも割り切れないものがありますね」
とはスポーツファンの菅野宏三氏(ビジネス評論家)だ。