国家ぐるみ露ドーピング WADAが全選手にリオ出場禁止勧告
2014年ソチ五輪でも、ロシアは国家ぐるみの不正を行っていた。世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームが18日、調査結果を発表。ロシア政府が関与して選手への禁止薬物投与や検査結果のすり替えが行われていたと認定した。
報告書によると、2010年バンクーバー冬季五輪後にロシアのスポーツ省や反ドーピング機関などが関与し、不正を行うシステムを構築。陽性反応が出る尿検体を捨て、保存していた問題のない検体に移し替えるなどしていた。12年ロンドン五輪や13年陸上世界選手権とユニバーシアード、15年水泳世界選手権でも不正があったという。
この調査結果を受け、WADAは開幕が迫るリオ五輪・パラリンピックでロシア選手団の全面的な出場禁止を検討すべきだと国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)に勧告した。
ロシアのプーチン大統領は18日、声明を発表。報告で直接関与したと名指しされた当局者について、ロシア側の調査が終わるまで一時的にポストを外すとする一方、「今我々は、スポーツへの政治介入の危険な繰り返しを目にしている。スポーツを地政学的圧力、国や民族のネガティブなイメージづくりの手段としている」と反発している。