甲子園常連バタバタ敗退 勝ち抜く“地域と学校”を識者解説
前出の美山氏は「関東に加えて、四国も気になります。最近の四国は中学生の軟式野球のレベルが高いのです。決勝で敗れはしましたが、センバツ準優勝校の高松商は強豪中学の軟式野球部出身者が多く、彼らを鍛え上げて結果を出しました。明徳義塾(高知)が低迷気味で、四国全体が弱体化しているイメージがありますが、侮ってはいけません」と言って、こう続ける。
■センバツでコケた関東勢は?
「中でも関東のイチオシは木更津総合。センバツでは大阪桐蔭を倒すなど2勝。しかし、準々決勝であと1死のところから秀岳館に逆転サヨナラ負けを食らって以来、五島監督はバントや右打ちといったチームプレーの練習を徹底してやってきたそうです。だからバントのうまさは天下一品。これが5回戦から決勝まで4試合連続で1点差を制した勝負強さにつながっています。エース左腕の早川はこの春、テークバックの際に左手を脱力する投法に改造し、さらに成長しています。センバツで東海大甲府(山梨)を倒している創志学園(岡山)もいい。注目の好投手・高田を中心としたセンターラインの守備がしっかりしていて機動力も相手には脅威。判定が覆っての逆転優勝で勢いもあり、不気味な存在です」
今春のセンバツは関東、東京勢が振るわなかった。出場6校中5校が初戦敗退したものの、小倉氏も美山氏もこの夏は巻き返すとみているようだ。