入賞も叶わず 女子マラソン惨敗で見えた“東京五輪の課題”
■酷暑やペースチェンジの対策不足
それにしてもだ。上位陣との実力差があるからメダルは無理にしても、日本選手が先頭集団から姿を消すのは早すぎないか。スタート時(午前9時30分)に19度だった気温は11時には25度を超え、海風は吹かず、選手には強い日差しも照りつけた。確かに予想外の消耗戦にはなったが、条件は皆同じだ。ソウル五輪マラソン代表で「チーム新宅」代表の新宅雅也氏がこう語る。
「選手や関係者たちは、海からの風は頭にあったでしょうが、暑さや世界大会独特のペースチェンジの対策はどうだったのか。それに、日本のマラソンコースではあまりない周回コースはカーブする際にスピードを落としたり、リズムが変わるので足への負担が大きい。3周なら6つのカーブがある。アフリカ勢には身体能力だけでなく、対応力の高いことも見せつけられた。とはいっても、入賞者にはベラルーシや米国の選手もいる。福士にはどうにか先頭集団についていって欲しかったですね」
暑さといえば、4年後の東京五輪も過酷なレースが予想される。