男子も惨敗…日本マラソンは世界とのレベル差また広がる
「……選手に一生懸命やらせてケガをさせたり、あるいはケガのリスクが高い中で五輪でメダルを狙うべきなのか。それより代表に選ばれる道を取るのか。指導者が選択をしなければいけないのですが……選手を預かる以上、五輪や世界選手権の舞台に出すのが一番の目標ですから」
これは、日本のマラソン指導者の総意ではないか。
この日男子マラソンの解説をしていた高岡寿成氏(カネボウ監督=日本記録保持者)は、結局五輪キップは逃したものの、アテネ五輪で金メダルを取ると公言していた。「五輪のちょうど1年前にアテネに行き、本番と同じ気候の中で走ったりもした。考えられることは、すべてやりました」と、こちらも日刊ゲンダイのインタビューで語っていた。
荒井広宙が50キロで初の銅メダルを取った競歩は、所属先が異なる代表選手を集めて、合同合宿で鍛え上げた。マラソンはナショナルチームも機能せず、市民ランナーの川内優輝に「プラスにならない」とソッポを向かれた。男女のマラソンは、選手も指導者も考えを抜本的に改めない限り、東京五輪も入賞さえあり得ない。