男子も惨敗…日本マラソンは世界とのレベル差また広がる
しかし、ペースメーカーがいない五輪はそうはいかない。この日の序盤5キロは15分31秒のスローペース。それが、25キロから30キロにかけては約30秒も速くなり、30キロから35キロのラップは14分25秒。序盤より約1分もペースアップした。レース途中から雨はやみ、海風も吹かない。炎天下で行われた女子よりコンディションは良かった。それでも日本選手は独特な「五輪ペース」に対応できる力はなかった。
■五輪に参加するのが一番の目標に
近年の五輪の結果を見ると、女子は92年バルセロナから04年アテネまで4大会連続でメダルを獲得。シドニー、アテネは高橋尚子と野口みずきが連覇した。男子はバルセロナの森下広一の銀が最後だが、当時の選手たちは五輪で頂点に立つ、もしくは本気でメダルを狙ってスタート地点に立っていた。
ロンドン大会まで4大会連続で教え子を女子マラソン代表にした、日本陸上競技連盟の武冨豊女子マラソン部長(天満屋総監督)は五輪前、日刊ゲンダイのインタビューで、日本のマラソン界が抱える問題をこう語っていた。