工藤SBに“2年目の壁” パ大逆転劇の裏に監督の手綱さばき
最大11.5ゲーム差をひっくり返し4年ぶりにパ・リーグを制した日本ハムと、豊富な戦力を抱えながら、それを許してしまったソフトバンク。両球団を分けたのは、指揮官のハンドリングという指摘がある。
日ハムの栗山監督は「選手をキラキラさせたい」など、まるでファンタジーのようなセリフが多い。しかし、その信条は「選手第一」。これは指導者経験がないまま監督に就任した12年から、一貫して変わらない。
■「オレが責任を取る」
「栗山監督は常に選手最優先。どうすれば選手を気分よく働かせることができるか、選手の個性をいかに生かすかを考えている。だから、メディアに選手の悪口や愚痴は絶対に言わないし、身を挺しても選手を守ろうとする。シーズン中、抑えの増井を先発に配置転換したときも、リスクが高いという周囲の反対を押し切った。このままでは救援失敗が続いていた増井が潰れてしまうと判断したのでしょう。増井が先発として芽が出なかったら、今季の成績にかかわらず辞任する覚悟もあったそうです。かつて近藤が送球イップスで捕手失格の烙印を押されたときも、全責任はオレが取ると三塁手として起用して打撃を生かしたこともありました」(日本ハムOB)