広島25年ぶりVの立役者 鈴木清明球団本部長を直撃<上>
――優勝まで25年を要しましたが、チームを運営していて風向きが変わったと思われるポイントはどこですか?
「(93年に導入された)ドラフトの逆指名時代が終わって(07年から)制度が変わり、やっと他の球団と同じ土俵で勝負できるようになった。スカウトを“リング”(グラウンド)に返すことができて即戦力の選手が取れるようになったのが大きい。球界再編の騒動の中で、関係者の危機感もあって停滞していた球場建設も動き出したんです」
――09年に新球場が完成しました。
「カネをかけずに楽しい球場をつくるという夢の中で、監督が若い選手を使ってくれるようになり、カープ女子といわれる女性客や若い世代のファンが増えてきた。球団運営的にも資金の融通ができるようになったし、しっかりした練習場もできて環境が整ってきたところで黒田が帰ってきたんです」
――14年オフに鈴木本部長が窓口になって黒田を電撃復帰させました。
「うれしかったね。メジャーの(20億円とされる)オファ―がありながら、選手の最後をどういう形でカープに恩返しができるかということを考え、『力のあるうちに帰ってカープで優勝したい』という思いがあったから帰ってきたんだから」