“今季で最後”随所に 広島・黒田の引退をチームメイト語る
ある中堅投手は、「今年は黒田さんが自ら声をかけてくれる機会が増えた」と言う。黒田の薫陶を受けた選手は、今季16勝を挙げて最多勝を獲得した野村をはじめ、数知れず。多くの選手に自らの技術、野球の意識について惜しみなく伝授した。
■後輩たちに積極的にコーチング
投球時の足の使い方について教わったという大瀬良は、黒田が引退を発表する直前、しみじみとこう話していた。
「僕自身は来年も黒田さんと一緒にやりたい。チームメートみんながそう思っているんじゃないでしょうか。僕自身、今季はケガで離脱したことがあったし、もっといろんなことを教えていただきたいのが正直な気持ちです」
さらに選手会長の小窪は、「黒田さんからチームの雰囲気づくりや野球の取り組み方など、多くのことを教えていただきました」と言う。選手会長に就任した際には「勝ち負けは仕方ない部分がある。最後にこのチームでやって良かったと思えるチームにしよう」と、アドバイスされたそうだ。
満身創痍で投げ続ける姿に加え、こうした積極的な「コーチング」は一方で、選手、関係者に「今年で最後」という印象を与えた。