ジャンプ葛西は「有利」と自信も 五輪金の敵は“平昌の風”
「ジャンプ台は日本人選手には有利だと思う」――。
ノルディックスキー男子ジャンプの葛西紀明(44)が18年平昌冬季五輪でのメダル取りに自信を見せた。1日、都内で日本代表によるシーズン開幕会見が行われ、女子の高梨沙羅(20)、フリースタイルスキー・ハーフパイプのソチ五輪銅メダル小野塚彩那(28)らとともに出席した。
葛西は10月に平昌の会場で合宿を張った。現地のジャンプ台は98年長野五輪で使用された白馬に形状や感触などが似ており「ノーマルヒル、ラージヒルとも僕に有利になる」と初の金メダル獲得に早くも自信たっぷり。これまで白馬ではサマージャンプも含めて多くの大会が開催されてきた。日本のトップジャンパーにとっては勝手知ったるジャンプ台だけに“地の利”を生かせるというわけだが、一方でこんな話もある。
現地を視察した日本スキー連盟関係者によると、会場の「アルペンシアリゾート」は国際スキー連盟が定める「最速3メートル未満」の基準を大幅に上回る5メートル(最大風速平均)の強風が吹く。ジャンプ台を背にした正面には、風力発電のための巨大な風車も数十台設置されている。選手には危険が伴い、結果も風速に左右されるため、平昌組織委員会では開幕までに防風ネットで台を囲む計画まで明らかにしているのだ。そのネットも開閉式で、風の調節が可能。日本勢に不利な風を吹かせようとすれば、できないことはないというから厄介だ。
平昌五輪で男女アベックメダルを目指す日本勢の前には、強豪が揃う欧州勢だけではなく、「強風」が立ちはだかりそうだ。