大会新記録23アンダー 松山圧勝のウラに日米ツアーの違い
「海外に行っていろんなコースに行くようになり、簡単じゃないですけど前よりは(会場が)やさしく感じるようになったのかもしれない」と松山は言った。
米ツアーとはコースがどう違うのか? 米事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏はこう言う。
「今大会の会場は悪いコースではないけれど、セッティングは米ツアーに比べてグリーンが軟らかくてボールが止まりやすかった。フェアウエーが広くてラフも短く、距離も短い。タフな米ツアーで戦っている松山にしたら精神的にも楽だったでしょう」
■選手層が薄くコースはやさしい
米ツアーの会場はパンパンに固める硬いグリーンが主流だ。
「グリーンにはサッチ(Thatch)と呼ばれる芝の葉や根が腐ってできる有機物質の層ができるのですが、それを取り除いて砂を入れている。だから米ツアー会場のグリーンは水はけがよく、多少の雨が降ってもボールマークがつかずに止まりにくい。松山はスピン量を計算してグリーンを狙っていたが御殿場のゴルフ場はピッチマークがよくでき、他の選手はスピンをかけないでも止まる球を打てた。それだけグリーンが軟らかかった。またドライバーで300ヤード以上飛ばす松山にとって2オンできる会場のパー5は、距離的に米ツアーのパー4感覚です。同じスコア“4”でも米ツアーならパーなのに、日本ツアーならプロにとって良薬といわれるバーディーとなればさらにやさしく感じて、伸び伸びとプレーできたはずです」