無敗横綱を撃破も…稀勢の里の浮き沈みにファンやきもき
なぜ、その強さを大一番で発揮できないのか。
大関稀勢の里(30)が無敗の横綱鶴竜に土をつけた。立ち合いで不利な体勢となるも、前に出ながらの小手投げで反撃。つんのめって前かがみになった鶴竜の背中を両手で押し潰し、トドメを刺した。場内が大歓声に包まれると、稀勢の里は「威風堂々」たるもの。眉ひとつ動かさない様は、長いこと綱を張ってきたような貫禄すら漂わせていた。
これで前日の白鵬に続き、2日連続で横綱を撃破。無敗力士はいなくなり、2敗の自身にも優勝の目が出てきた。
もっとも、相撲ファンにしてみれば、「たまにじゃなく、いつもそういう相撲を取ってくれ!」と文句のひとつも言いたいところだろう。
先場所までは3度続いた綱とりに、ことごとく失敗。今場所も遠藤と正代、平幕2人に黒星を喫している。この取りこぼしさえなければ、無敗で優勝争いの筆頭だったはずだ。
重圧があると必ず負け、平幕相手に油断する悪い癖も相変わらず。
それでいて、安定して2ケタを勝ち、この日のような圧倒的な相撲を取るのだから、見切りをつけたくてもつけられないファンをやきもきさせている。
稀勢の里を「今度こそ?」と思うファンは少なくない。