レスリング向田真優 “ポスト吉田”に名乗りも厳しい評価
女子レスリングに新鋭が現れた。
23日に全日本選手権女子53キロ級を制した向田真優(19=至学館大)のことだ。同大会13連覇中だったリオ五輪銀メダリストの吉田沙保里(34)が不在の中、決勝で宮原優(22=東洋大)に8-2で圧勝。20年東京五輪に向けて「ポスト吉田」に名乗りを上げた。
今月上旬の世界選手権では55キロ級(非五輪階級)で優勝。今大会は世界チャンピオンとしての重圧があったそうで、向田本人は「優勝したい気持ちが強過ぎて体が動かなかった。準決勝、決勝は気持ちだけで勝ちにいった」と振り返った。
新女王は四日市ジュニア(三重)でちびっこレスリングを始め、中1時にJOCの「エリートアカデミー」に入校。中学、高校時代(安部学院高)は日本レスリング協会の指導者から徹底した英才教育を施され、今春、吉田らを輩出した女子レスリングの名門である至学館大に入学。同アカデミー出身者では初の世界チャンピオンである。
向田の成長で「霊長類最強の女」もうかうかしていられないが、日本レスリング協会の栄和人強化本部長(至学館大監督)の評価は手厳しい。
「残り30秒の攻めが甘い。(吉田と違って)タックルに入る勇気がないようだ。ラスト30秒での攻めを身に付けないと、世界では厳しい」
元女王の壁はまだまだ高い。