由伸監督の注意に忠実 Gドラ1吉川“新人離れ”スロー始動
9日、川崎市のジャイアンツ球場で始まった巨人の新人合同自主トレ。高橋由伸監督(41)ら首脳陣が勢揃いで見守る中、最も目を引いたのは、ドラフト1位・吉川尚輝(21=中京学院大)――ではなく、ドラフト7位の台湾人右腕・廖任磊(23=リャオ・レンレイ)だった。
キャッチボールの際、あっという間に約10メートルの距離まで離れると、身長201センチからブルペンさながらの全力投球を開始。相手役を務めた育成6位捕手の高山が、「座ったらもっと角度がついたでしょう。速い、重い。バットが砕かれそうですね。140キロ台後半は出ていたんじゃないですか」と目を丸くする剛速球を披露したのだ。「キャッチボールでアピールできたと思う」とニヤリと笑ったリャオは、“専門外”のバットでもティー打撃で鋭いスイングを連発。日本ハムの栗山監督だったら即二刀流指令を出しそうな身体能力の高さを見せ、視察した村田ヘッドコーチや江藤打撃コーチを驚かせた。
対照的だったのが、二塁のレギュラー奪取が期待されるドラ1の吉川尚。張り切るリャオを横目にキャッチボールは肩慣らし程度の強度にとどめ、「初日から飛ばしてケガでもしたら何をしにきたか分からない。本気を出したら? 140キロくらい出ますけど、リャオさんは150キロでしょう? 周りを気にしてもしょうがないんで、とにかく飛ばし過ぎないようにしました」と、いきなりのマイペース宣言。初日だけに練習の流れが分からず、アンダーシャツを着替えて次の練習に向かう際、他の新人から取り残される一幕もあり、これには村田ヘッドも「1日じゃ分からん。でも期待してるよ。今日はそこそこの練習だったけど、足が速い、パワーはないけど、当てるのがうまいと聞いている。まあ、ケガをしないでくれればいいんじゃないか」と控えめな評価に終始するしかなかった。