日本実業団陸上競技連合 西川晃一郎会長インタビュー<上>
「全日本実業団対抗駅伝のテレビ放映権料を、実業団連合の先輩たちが30年以上かけて少しずつ貯めた基金からです。3億円強の中から1億5000万円を拠出させていただきました。それと、友永専務理事や私をはじめ、実業団連合の関係者が加盟会社を回り、協賛金を出していただきました。マラソンは2020年の東京五輪で大切なので、会社としてもそれを推しているということを各会社の選手、指導者にもわかってもらうためでもあります」
――その資金でマラソン界に刺激を与えようというわけですね。
「64年東京五輪のマラソンで銅メダルの円谷(幸吉)さんが、日本陸上界唯一の日の丸を掲げた。あれがあったから、68年メキシコの君原(健二)さんの銀につながり、90年代以降のメダル続出を呼んだと思う。我々は、マラソンで日の丸を揚げることは、日本にとっていいことだと思うし、陸上をやっている者としてできる恩返しというメッセージを出したかったわけです」
――リオ五輪の前年に発表されたとはいえ、多額の報奨金制度は五輪の結果には結びつきませんでした。さらなる強化策は考えていますか。