地元で地盤固め 原辰徳氏「東京五輪監督」への野望と戦略
その原氏には、一つの野望があるという。20年東京五輪代表監督の就任だ。去る10日、客員教授を務める国際武道大で講演した際、WBCや20年東京五輪監督への意欲について学生から問われ、「考えてはないです」としつつも、「環境的な部分で整って、時が来たらあなた(質問者)もチームに入りなさい。野球に対する情熱はあります」と含みを持たせた。過去の実績を見れば有力候補ではあるとはいえ、“すねの傷”がネックになる可能性もゼロではない。
だからなのか、原氏は今、来るべき時に向けて「地盤固め」にいそしんでいるというのだ。
■東海大監督突然の更迭
「原さんが特に力を入れているのが、五輪の監督選考で発言力を持つアマ球界との関係強化です」と語るのは、あるプロ野球OBだ。
「昨年12月、かつて父・貢氏(故人)が野球部を率い、自身もOBである東海大の客員教授に就任した。大学の1年先輩に当たる山下泰裕副学長が昨秋、野球部でリーグ優勝15度の実績を持つ横井人輝監督(54)を解任し、現社会人日本代表監督の安藤強氏(52)を招聘した。横井監督は兼務する大学日本代表監督も退任することになり、アマ球界が騒然となったが、安藤さんに白羽の矢を立てたのは原さんだといわれています。全国の東海大グループは原氏の影響力が及ぶとみられており、すでにある系列の有力校では、監督交代のウワサも流れています」