大関復帰ラストチャンス 琴奨菊は稀勢の里連覇の“最難関”
9日、新横綱稀勢の里(30)が角界初となる、茨城県の県民栄誉賞を受賞した。
「横綱の名を汚さないように精進します」と話した新横綱。昔から応援してくれたファンのためにも3月場所で連覇を果たしたいところだが、ライバルは多い。
筆頭は横綱白鵬だ。07年に昇進後、初めて4場所連続で賜杯を逃した屈辱もあり、3月場所での復権に懸けている。衰えが激しいといわれる日馬富士、鶴竜の2横綱も、このままでは終われないはずだ。
■ラストチャンスに必死なのは……
しかし、最も気をつけるべきは関脇の琴奨菊(33)だろう。カド番の1月場所で5勝10敗と負け越し、大関から陥落。とはいえ、大関には陥落直後のみ、救済措置が設けられている。
日本相撲協会寄附行為施行細則の番附編成要領第9条にはこうある。
「降下は全休を含めて関脇に止め、次場所にて十勝した場合は、大関に復帰する」
つまり、3月場所で10勝以上すれば、めでたく大関復帰。この機会を逃せば、通常通り、「3場所で35勝以上」の基準を満たさなければいけない。事実上のラストチャンスとあって、目の色を変えている。