リンガーハットと所属契約 内村航平が見据える“東京後”
企業も選手も見据える先は「東京五輪」だが、体操選手のプロは今後も出てくるのか。
ビジネス評論家の菅野宏三氏はこう言う。
「今後ますます報道が過熱する東京五輪に便乗したいというのが企業の正直な思いで、東京五輪が終われば企業は消極的にならざるを得ない。体操は内村選手が先駆者として“井戸”を掘って、後輩につなげたいという気持ちは素晴らしいと思います。でも彼は特別。白井(健三)選手もすごいですが、五輪のメダリストでも内村選手のようにプロになれるかといったら難しい。企業は『選手を支えたい』『スポーツを盛り上げたい』と言いながら、スポンサーや所属契約は自社の販促などが本来の目的です。体操だけでなく、あらゆる競技のプロ化の波は、20年でひとつの区切りを迎えることになるでしょう」
会見に同席した同社の米濱会長も「東京五輪に向けてフードビジネスを考えていたところ」と“便乗”を明言。
内村は「プロになるとエネルギーを使うなと。大変だけど、誰かがやらないと大変さもやり方も分からないので、今後、プロになりたい人のために、できるだけ負担の少ないやり方を考えて確立したい。それが未来につながっていくと思う」と、後進への道筋づくりに意欲的だった。
「内村ロード」を目指す後輩は現れるのか。