東京五輪に向けスポーツ界はもう“バブル”に突入している
「自分の中では信じられない気持ちが大きい。私を支えてくださった関係者の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです」
13日、国民栄誉賞の授与決定を受けて都内で開かれた記者会見。伊調馨(32)は、緊張した面持ちでこう切り出した。
リオ五輪のレスリング女子58キロ級で金メダルを獲得し、女子個人種目で五輪史上初となる4連覇を達成。レスリング界では吉田沙保里(33)に続く2人目の国民栄誉賞受賞は当然として、本人は五輪後に「光栄だけど、私はまだかな、と」と言っていた。
派手なスポットライトが大の苦手という控えめな性格だけに笑顔も引きつり気味だったが、授与を決めた政府の菅官房長官は対照的に、「人一倍の努力と厳しい修練の積み重ねにより、世界的な偉業を成し遂げられた。多くの国民に深い感動と勇気、社会に明るい希望を与えた」と授賞理由を語るや、会見場を見回してニンマリ。例によって政治利用のにおいがプンプンするのだが、すでにスポーツ界は20年東京五輪に向けてバブルに突入している。
■跳ね上がる世界選手権の放映権料