デスパイネ殊勲、クルーズ拙守 WBCでプロ野球助っ人明暗
日本球界の助っ人選手2人が、10日の試合で母国の命運を分けた。
オーストラリアを撃破し、WBC2次ラウンド進出を決めたキューバ。勝利の立役者となったのが、「4番・左翼」で出場したソフトバンクのデスパイネ(30)だ。
1点を追う五回、2死満塁から逆転のグランドスラム。キューバはこの4点を最後まで守り、4-3で試合を制した。
ソフトバンクにとって、デスパイネは15年オフに退団した李大浩以来となる、長距離砲の助っ人。3年12億円という大型契約も、期待の表れだ。
それだけに球団はWBCでの活躍に心中複雑だという。キューバが勝ち進めばデスパイネのチーム合流が遅れる上、ケガの不安も増す。現にオーストラリア戦の守備中に突如、首の違和感を訴え、コーチにマッサージを受ける場面もあった。「できることならさっさと負けて福岡に来てくれ」というのが、ソフトバンクのホンネだろう。
一方、メキシコ出身の巨人・クルーズ(33)はD組初戦のイタリア戦で致命的なポカをやらかした。4点リードの九回、イタリアの3連打で2点を失ったメキシコ。無死二塁から遊ゴロでようやく1アウト……と思いきや、遊撃のクルーズは走者に気を取られて打球をファンブル。傷口が広がったメキシコはイタリアの勢いを止められず、この回、1死も取れないまま5点を失い、9-10でサヨナラ負けを喫した。
もっとも、“戦犯”のクルーズは外国人枠の問題もあり、巨人では開幕二軍が濃厚だ。WBCでの拙い守備は首脳陣を悲しませるどころか、改めて彼らに二軍スタートを決断させたかもしれない。